8/2、Do As Infinity『冒険者たち』のプロモーションビデオ撮影が行われた。この時期彼らは、アルバム『DEEP FOREST』のジャケット、その収録曲『遠雷』のPVと立て続けに撮影をこなしており、さらに翌日には山口でのイベント出演が控えているという、超過密スケジュールの真っただ中にいた。メンバーもスタッフも、全員がロクに寝ていない状態。それでも「これじゃ友だちが減るよねー」と笑い合う皆の明るさが救いになっている。当日の朝11:00に南青山のavexに集合し、埼玉のロケ地へと向かった。
ロケ場所には剥き出しの土が広がり、その中に屋根と柱だけの倉庫のような建物がある。スタッフが土木作業員のように土を掘ったりして、メインとなる“炎のステージ”のセッティングをしている。もちろんBGMは蝉の声。
軽い昼食を済ませ、VANの1ショットから撮影開始。鮮やかなブルーのタンクトップに、デニムのバギーパンツ、足もとはピンクのミュールを合わせたVANが登場。しかし真っ先に目がいくのは、VANのスーパーロングヘアだ。PVを観て「ずいぶん髪が伸びたね」と驚いた人も多いだろうが、これはヘアメイクさんが用意したエクステンション。このシーンはCG処理されるため、グリーンバックを用いる。グリーンのターンテーブルに横たわるVANを、高さ4mほどの位置からカメラが見下ろす格好で撮影。出来上がりがイメージしづらい分、表情を作るのも難しそうだ。
立ち上がって次のカット。目を閉じたVANが、風を感じてゆっくりと目を開けて周りを見回す。出来上がりは印象的な映像になっているが、ただグリーンの布に囲まれた状態で演じているのだ。続いて、2〜3歩進んでふと振り返るシーン。なぜか仲良しのスタイリストさんを見て笑ってしまうVAN。現場の雰囲気が一気に和んでしまった。2テイク目には、スタイリストさんが遠くに避難し、無事にOKが出て終了。日没まで長い長い待ち時間となる。
ようやく日が落ち、虫の音がいっそう賑やかになったところで撮影再開。ほとんどメイクしていないVANがのびのびと歌う姿に、いつになくROCKを感じる。カメラを回しながらふと隣を見ると、やけにリズムに乗ってシャッターを切っている人がいる。「そんなに動いててブレないのか??」と思いつつ、よく見るとベースの小池氏と発覚。最近、D・A・Iと一緒に歌番組に出ているあの人だ。
いよいよ専門のスタッフがステージに火を着けた。今回は水責めではなく火責めだ。側にいるだけでも熱いのに、炎に囲まれたVANは相当な熱さに耐えている。「カット」の声と同時に、冷したタオルとうちわを持ったスタッフ達が駆け寄り、必死に扇いでいる。
ここでRYOも登場。胸に“GREEN”という文字とピストルが描かれたTシャツに、ジーンズという姿。リストバンドもグリーンのヘンプマークが付きだ。思う存分ワイルドに弾きまくるので、取材カメラで追うのに苦労した。そしてRYOも炎に包まれる。どう見てもVANの時より炎が大きく、「男は火傷してナンボだろ!!」ぐらいの勢いだ。いつもより野性的な表情のRYO。それは熱いから!!これで男性ファンの心をわしづかみ!!「カット」の声がかかると、「熱いッ!!!」と叫んでいた。モニタでチェックしてみると、炎が身長180cmのRYOの頭上まで届いており、かなりの迫力だ。
次はRYOの周りに半円形のレールが敷かれ、その上をカメラが移動しながら撮影する。本番直前、取材カメラにパンチしてくれたりして、相変わらずサービス精神旺盛なRYO。1テイク終わると「あっつーーー」と笑いながら涼しい場所まで退散する。笑っちゃうほどの熱さなのだ。取材カメラに指をさし、「良い子のみんな、マネするな!!危険です」と言い残して去って行く。待ち時間にはそうる透氏のドラムを叩いたりしていた。
再びVANが歌うシーン。今日のVANはとても生き生きとしている。テイクを重ねるごとに動きも大きくなり、気分が乗ってきているのが伝わってくる。時折、自分の真横まで迫ってくる炎を少し怖そうに避けながらも、うまく動きにつなげてしまうVAN。1カット終わると、カメラマンを気遣って「熱いっスねー」と声をかけていた。
ベース、パーカッション、ドラムが加わり、バンドシーンを撮影。VANの衣装はユニオンジャックのタンクトップに、デニムスカート、ブーツ。RYOは水色のTシャツにチェンジ。まずはテストから。皆、背が高いのでそれだけで絵になっている。カメラの準備を待っていると、いつの間にかジャムっている音楽バカ5人。RYOは、ベースの小池氏となぜか至近距離で笑いながら顔を見合わせ、息もぴったりに弾いている。長い長い無人のクレーンカメラを使って撮影。イカツイ男性スタッフが3人がかりで操る。今回のPVは、この演奏シーンがメインとなるストレートな内容。なので、カメラアングルやレンズを変えつつ、繰り返し演奏することになる。途中、RYOのギターの弦が切れるというアクシデント発生。すぐに張り替えたが、張り替えたばかりというのは弾きづらいものだ。
歌うVANのアップ。カメラに挑むようなVANの視線がセクシー。
待ち時間。「ね、花火しようよ!!」の一声で、ちょっとした花火大会が始まる。「わーい!!」と両手で花火を振り回したり、ドラゴンに歓声をあげたりして、すっかり子供に戻って遊ぶメンバー&スタッフ。さっきまで炎に囲まれて「熱い」を連発していたのに、もう花火に夢中だ。最後に、皆でしゃがみこんで線香花火をしていると、VANが自分の花火に「ねばれッ!!」なんて声をかけていた。
再び炎に包まれたバンドシーン。あまりの熱さに「(このシーン)1回で終わらせようね!!」と気合いを入れるVAN。バンドメンバーを円形の炎が囲むクライマックス。すでにメンバーの疲労がピークに達しているはずの時間だが、まだまだ演奏シーンは続く。空が白み始める頃、火が付く瞬間のシーンを撮って、撮影終了。
RYO「終わりました。4時です、4時!!9時に羽田。山口に行きます。うわー寝れねーーー!!」
撮影で『冒険者たち』を聴いているうちに、この曲の魅力にすっかり引き込まれてしまった。Do As Infinityの曲はいつもそうだ。DAIが生み出す新しいメロディに一瞬の戸惑いを覚えても、それをねじ伏せるようなRYOの力強いギターと、VANの表現力によって、聴くうちにD・A・Iらしく思えてしまう。次々と新しいことに挑戦し続ける彼らこそ、冒険者たちなのだ。 |